こんにちは。たつや学長です。
もし人間関係を今よりもっと良くすることができたら…
どんな良いことがありそう?
もし自在に信頼を勝ち取り、影響を与えられる人間になれたらどんなメリットがある?
僕は、社員に横領された経験がある。
法的には彼らが犯罪者な訳だけど、経営者としてどうなのよ?と問われれば、僕の「人間関係構築力」に問題がなかったとは言い切れない。
事件の後、しばらくは人間関係自体に嫌気がさしたことも否めない。
僕のような経験ではなくても、なんらかのキッカケで人間関係が苦手になった人もいるだろうし、もともといやだって人もいるよね。
ではそういう人たちが、もし人間関係をうまく築けるようになったら、どんな良いことがあるだろう?
僕の研修に参加してくれた人たちの実際の声を大まかにまとめたものを紹介しますね。
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生きやすくなる
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高いビジョンでも達成しやすくなる
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何より悩みが大幅に減る
あなたはどう?
人間関係って、とても厄介でメンド臭いものだけど、今より上手になると何だか良いことがたくさんありそうな気もするね。
特に悩みが減りそうって感じた人は多くいた。
心理学者で、日本でも有名なアドラーは、人の悩みのほとんどは人間関係だと言ってるよね。
なるほど。悩みが減らせるなら、それは良さそう。
今度は「私は人間関係を築くのは得意です!」っていう人にも訊いてみた。
すると大まかにはこんな意見があがったよ。
1.もっと強い関係性を築いて、不可能と思えるようなことでも達成できるようになる
2.毎日ワクワク、楽しい
3.リーダーとして実績を出せる
4.得意なことやってるだけなのに、どんどん色んなことが実現して、あ!ワォー!
人間関係の達人になれたら、メリットがたくさんありそうなことは何となくイメージできた。
アドラーの本を読めば理屈はわかる。
でも、
「知ってる」のと「出来る」のは違くない?
じゃ、どうやったらできるようになるのか?
その領域のトレーニングで世界的に実績があるのが、デール・カーネギー。
現在までに98カ国、900万人のビジネスリーダーやビジネスプロフェッショナルがデール・カーネギーのトレーニングを受けていて、フォーチュン500の90%以上の企業がデール・カーネギーを選んでいる。
デール・カーネギーってどんな人?
1888年、アメリカミズーリ州の農家の次男としてこの世に生を得た。家族はもともと英ロンドン出身だったが、ミーズーリに移り住み、農業で生計を立てた。
若き日のデールは、農家での手伝いが恥ずかしく、そしてそのことはコンプレックスになったとのちに述懐している。
そんな彼は大学卒業ののち、セールスマンや役者などの職業を転々とすることになる。
会社勤めをする傍ら、彼はやりたいことがいくつかあった。
最初は役者。しかし、それは叶わない夢となった。
同時に興味があったのが、哲学の世界。
西洋の哲学書はもとより、孟子、孔子など東洋の哲学を貪り読んだ。それを生かして執筆者として生きていこうと決めた。
決めたが早いか、彼は会社を辞め出版社に売り込んだ。
出版社を決めてから辞めればよかったのに〜と思うんだけどw
案の定、無名の彼に執筆依頼をするところは皆無だった。
何とか稼がなければいけない!
追い込まれたデールは
「そうだ!大学のスピーチのクラスで評価が高かったから、社会人向けに話し方教室をやろう!」
と思い立ち、早速行動に移す。
まず彼は、主催者探しをした。
教室をやる!と言っても集客をしなければいけない。
最初に交渉したのは、コロンビア大学。しかしあっさり断られる。他の大学や企業にも当たったが、どこも門前払い。
何件くらい断られただろう。
でもデールは諦めなかった。いや、諦められなかった(選択肢がなかった)ということかもしれない。
もうダメかも…と諦めかけた時、ニューヨーク州の片田舎にあるYMCAが引き受けてくれた!
1912年、ときにデール青年は24歳だった。
この時、話し方教室(Public Speaking)に参加した受講者は5、6名で、全員男性の営業職の人々だった。
ある日、デールが受講者たちに「なぜこのコースを受講したのか?」と訊いてみると、その理由は様々なことに気づいた。
例えば、ある人は
「人間関係で悩んで喋るのが苦手」
ある人は
「部下がついてこない」
ある人は
「お客さんが買ってくれない」
なるほど、話し方を上達すれば解決するのでは?という思いで受講しているけど、本質的な問題はもっと深いところ…つまり
「人間関係を築く力」
にあるとデールは感じたのだ。
そこで彼は、東西の著名な哲学書からの学び(Tips)と自分なりに編纂したものを受講者に試してくるよう指示した。
その結果は、次回のクラスで受講者が報告する。そして、デールからさらにTipsを渡す、と言ったことを何万人にも繰り返した。
こうして、リアルな世界で実践されたものをデール・カーネギー流に体型立てたのが、
人間関係の30原則
なのだ。
なぜ、100年以上に亘ってビジネスリーダーの人気が途絶えないのか?のヒントは、
デールの教えは、何百万人もの人々に揉まれた、机上の空論ではないもの
というのが要因の一つと僕は考える。
日本との関わりについて
日本で最初のクラスが開催されたのは、1963年1月8日。
受講者はIBM、八幡製鉄、富士製鉄、松下電産(現パナソニック)、博報堂、チェイスマンハッタン銀行などから送り込まれた精鋭社員たち(受講者の10%は外国人)。
以来60年近く続き、日本でも9万人の人たちが受講している。
著名人だと、元Google CEOの村上氏、資生堂代表取締役の魚谷氏、元日本コカ・コーラ副社長やジョンソンエンドジョンソンの社長を歴任した新(あたらし)氏ほか、錚々たるビジネスリーダーたちがいる。
なぜ、僕がデール・カーネギーの話をするか?の背景をお話ししますね
実は、僕はデール・カーネギーの公式認定トレーナーなんです。
ライセンスを取得したのは2013年。
取得にあたってはなかなか大変だった💦
でも、
ここまで1万5000人以上(22年1月現在)のビジネスリーダーやビジネスプロフェッショナルにトレーニングをさせてもらえるような講師になることができたのは、デール・カーネギーのトレーナートレーニングのおかげ。心から感謝している。
そんなデール・カーネギーに僕が出会ったのは、社員たちに横領されて、やさぐれてるとき。
受講するだけじゃなく、いっそ教える側のトレーナーになろう!と一念発起して面接し、待っていたのは
250時間の地獄の(笑)特訓。
eラーニングなどで、たくさんの知識を詰め込み、それをアウトプットし、自分で(トレーニングを)設計し実践し、フィードバックを受け修正し…といったプロセスをかなりのプレッシャーの中で(このままでは合格は難しい..というコメントをもらいつつ)トレーニングを受けた。
幸い途中で脱落しないで済んだけど、最初の通過ゲートが待っていた。
それは、
ラボクラス
これは、デール・カーネギー未経験の一般の人を無料で招いて、丸2日間のトレーニングをする。
ここまで僕らを徹底的に追い詰め、しごいてきたマスタートレーナー(トレーナー養成のための特殊なトレーニングをするプロフェッショナルで、世界に数十名しかいない)が診ている前でやるのでダブルの緊張。
必死で受講者にトレーニングしていると、突然、
「ストップ!違う言葉でもう一度っ!」
という指示が飛んでくる。
ただでさえ一杯一杯なのに、受講者を前にこれはキツかったなあw
マスタートレーナとは、そこまでに250時間以上付き合ってるので、こちらの弱みもバレちゃってる。そこをついて来るんだよね。そういう意味ではさすがなんです。オマケに、瞬時の対応力を診られているわけ。
ヒーヒー言いつつ、何とか合格したら、免許皆伝!ではなく「仮免」が付与される。
次は、シニア(先輩)トレーナーとタンデムトレーニング。
ラボクラスとは違って、会社から送り込まれてきた人やデール・カーネギーを受講したい!とお金を払って受講する人を相手にするわけ。つまり真剣勝負。
デール・カーネギーコースの場合、3.5時間のセッションを8回(当時)が1クール。これを2クールやる。シニアトレーナーが、「まだ修行が足りませんな」となれば3クール目もありだし、「彼(彼女)には難しいですね」となれば2度と声がかからない。
僕はなんとか2クールでライセンス(本免許=ソロでトレーニングができる資格)をもらうことができた。やったー!
でも、まだ道のりは続くw
営業が良い、と思わなければ声はかからない
営業の人たちが2クール目をちょこちょこ見学に来る。自分の顧客企業から送り込まれてきている受講者の様子を観るのとともに、
新米トレーナーの腕前をチェック
するのだ。
後で知ったのだけど、
彼らも忙しいので、見学に来る前にシニアトレーナーに様子を聞くわけ。「新人の●○トレーナーはいかがですか?」と。
シニアトレーナーの返答が明確にポジティブじゃなければ、自然と足が向いてこない(=仕事の依頼がこない)のは明白だよね。
だから、僕よりも数年前にライセンスを取った先輩トレーナーでも、1度も声がかからない(ソロでトレーニングしたことがない)人は何人もいた。
こうして、トレーナーとして生き残る人は年々減っていく。
評価の高いトレーナーには、案件依頼が集中し、その分経験を積めて成長していけるけど、そうじゃないといつまで経っても素人の域を出られない。
数名のマスタートレーナーに叩き込まれたプリンシプル、あるべき姿、スキルレベルなどを総合してつけ合わせてみると、
現在、デール・カーネギートレーナーのライセンスを持っている人は(日本に)20名程度いるけれど、本当の意味で稼働している日本人トレーナーは、おそらく5人程度かもしれない(僕が敬愛する先輩トレーナー曰く、「天然記念物レベルに希少だ」とのことw)。
そんな大変な負荷をトレーナーにかける理由がある
そんなに苦労して取得したライセンスなのに、なんでそんな効率の悪いことになっちゃうの?と思ったあなた。ごもっともな疑問ですw。
ムチャとも言えるプレッシャーをトレーナーにかけてるのだけど、ある意味合理性があるのです。
人間関係は大事だ、と頭で理解している人は多いよね?
ところが、
関係構築のための要素はこれとこれ、だからこんなことをしてみましょう〜!と知識だけ与えて、実際に出来るようになるほど、人間関係や信頼構築は甘くない。
邪魔するのは、僕らのエゴや変化を嫌う人間の本質なわけ。
これら誰もが持っている阻害要因を
楽しく、
しかしグリグリと壊しつつ、
自分でもできる!という自信を得ながら進んでいかせる
ためには、
トレーナーが受講者一人一人と瞬間、瞬間に(流さず、逃げずに)がっぷり四つで相対する覚悟と力量が必要になる。
言うのは簡単なんだけど、
実践するには、なかなかの気力とスキルが必要になってくるんです。
ちなみに、僕は3.5時間のセッションが終わると、30分は喋ることができないくらい消耗する。
人間関係の原則
さて、前段が長くなったけど(笑)、本論に入っていきましょう。
デール・カーネギーの特徴はたくさんあるのだけれど、トレーニングの背骨となるのは、人間関係の原則。
これは、先に触れた「デール・カーネギーが数万もの受講者に試させたTipsを体型立てた」もので、人間関係を主体的により良くするための普遍的ヒントとも言える。
原則の定義
原則というからには、
-
アメリカ人には効果があるけど、東洋人には効果がないとか、
-
中高年には役立つが、若年層には意味がないとか、
-
昔は通用したけど、現代には言えることではない
というものではなく、
老若男女
洋の東西を問わず
100年前も現代も
通用するものであるという点は確認しておこう。
基礎となる原則(1〜9)
実はこの原則、30あるんだけど、全部やるとみんなお腹いっぱいになっちゃうかも?なので、特に基盤となる9個の原則について解説します。
原則1〜9は、30原則の基盤
ざっくり分類すると、
原則1〜9は
人間関係を強化するのにとても重要なもの。
原則10〜21は
(無理矢理ではなく)積極的な協力を得るために必要な原則。
原則22〜30は
リーダーシップを発揮するために効果のある原則。
原則1〜9がピラミッドの底辺に来ている理由は、原則の基盤になるから。
違う言い方をすると、
人間関係(基盤)を築けなければ、その上の部分、「誰かから積極的な協力を得よう」としても難しい。
他者の積極的な協力を得られるような関係性ができていなければ、リーダーシップを発揮することもおぼつかない。
だから、段階的に強化することが大事なのです。
では全ての起点となる原則1〜9を見てみましょう。
原則の主語は、すべて私。
例えば、原則1なら「私は」批判、避難もしない、となる。
ここには、
他者に影響を及ぼすためには、まず自分から変わることが重要と言う考えが根底に流れている。
-
批判、非難もしない。不平も言わない
- デール・カーネギーは基本的にポジティブアプローチが多い。しかし、原則1はいきなり「〜しない」と否定形だ。なぜだろう?
- 今まで、誰かの批判、非難をしたことない人いる?生まれてこの方、不平を言ったことない!って人は?僕はどれも何千回も言ってきた(笑)。僕らは、普通にしてたら言っちゃう生き物かもって思うよ。
- 自分ではつい言っちゃうけど、反面、不平や非難ばっかり言ってる人と仲良くなりたい!って思う?この人は信頼できそう!と積極的に思わないよね。ちょっと矛盾するような話だけど、これが人間の性かもしれない。
- もし誰かとの信頼関係を強化したい!って思うのであれば、無意識だとつい言っちゃう批判や不平を言わないように努力するところから始まるってことじゃないかと僕は解釈している。
-
率直に誠実な感謝や称賛を与える
- 最近の若い世代の人は、認められて(褒められて)育った人の割合がかなり多い。でも、僕らのような世代は、「否定され注意されて育った」人が圧倒的に多い。つまり、あまり称賛された経験がない。
- 称賛された経験のない人が、褒められるとまずどう感じるかと言うと、「何か裏があるのではないか」と疑ってしまうw
- そうじゃないとしても社会に出て、取引先の人(例えば営業の人)に称賛されると「何か買わせようとしてるな」なんて勘繰っちゃうこともある。
- 反面、僕らは承認されたくてしょうがない。渇望していると言っていいほど。だから、相手が欲しがっているものを与えよということ。
- とはいえ、普通に言ったら勘繰られちゃうこともある。
- 相手にあなたの称賛を素直に受け取ってもらうには「率直さ」や「誠実さ」が重要になってくる。
- ちなみに、相手に与える感謝の気持ちや称賛も有り体のものより、相手が「お〜そこを言ってもらいたかった!」と言う深いものの方が、より喜んでもらえる。例えば「いつもお世話になっています」というより「僕が動きやすいように即レスくださっていますね。決断力がすごいです」と言った方が響くだろう。
- そのためには重要なことがある。それは、相手に興味のベクトルを向けること。興味を持たなければ、深いレベルのことに気づくはずもないからね。
-
強い欲求を起こさせる
- よく質問を受けるので、フルセンテンスで言いますね。「私は(相手に)強い欲求を起こさせる」です。
- わかりやすいように仕事の場面で考えてみましょう。僕らは上司などから指示されて動くことが多くあります。これはこれで必要なことだよね?
- 一方で、指図されるのはあまり好きではないって人いない?そうじゃなく、自主的にやる方が好きという人は結構多くいます。
- 実際、主体性を発揮している時の方がパフォーマンスが高いという結果もあるよう。
- さらに、指示を受けて嫌々した仕事などは特に、言われたことしかしないとか、最低限のことしかしないってこと、あるあるじゃない?
- これは依頼する側からすれば、「じゃ、いいわ!自分でやる」って結果につながる可能性がある(これは権限委譲がうまくいかない時に見られる現象なの!)。
- リーダーとしては、非常にメンド臭い(と僕は思う)ことだけど、部下や後輩のやる気を引き出し、かつ、より高い成果を目指そうとするなら、周囲の人たちのモチベーションを引き上げることが(遠回りのようですが)効果的なことだ、ということなんだよね。
- 誠実な関心を寄せる
- 僕らは日常的にSNSで発信する。その内容の多くは、食事の場面、旅行の場面など、つまりちょっと自慢したいことを共有するわけ。
- 個人情報保護の時代に、これでは情報ダダ漏れなんだけど、そこまでしても知ってもらいたいってこと。
- そしてできれば、「いいね!」で承認してもらいたい。これは、自分が相手に知ってほしいことに関心を持ってもらいたいという欲求からくると僕は思ってる。
- ところが、実際には2つのことが多く起きている。
- 1つは、無関心。基本的に、人は他人に興味がない(自分にメリットやデメリットがない限り)。
- そして2つ目は、関心を寄せてくれるときは、相手にメリットやデメリットがあるとき。そして僕らは、これらのことを、なんとなく、あるいは経験上知っているのです。
- だから「誠実に」関心を寄せることが大事で、そうじゃないオーラを出して興味を持つと「何か裏があるのでは?」と勘繰られてしまうのだね。
-
笑顔で接する
- 人間関係を良くしたいなら当たり前じゃん!と思うでしょ?あなたは、仕事中の自分の表情って意識したことある?
- 無意識の時、考え事をしている時、難しい交渉をする時、月曜日の朝一の営業会議の時、真顔だよね?いや、それがいけないっていうことではないよ。ただ、誰かと信頼関係を築くときの、あなたの表情はどうか?ってこと。逆の立場で想像するとわかりやすいよね。そう、真顔より笑顔の方が話しやすい。
- 東京の人はわかると思うけど、ある日僕は、新宿方面から溜池山王方面の地下鉄丸の内線に乗っていた。この地下鉄は、四ツ谷駅でトンネルから地上に出る。僕は資金繰りのことなど、考え事をしながら、外の景色を見ていたわけ。
- 四ツ谷駅を出ると、すぐにまたトンネルに入る。その瞬間、僕はギョッとした。自分の顔が窓ガラスに映ったのだけど、表情は口角が下がり怖い目をしていた。自分では普通の表情と思っていたのにw!
- ここで大事なのは、「意識する」ことじゃないかと思う。わざとらしくするということじゃなく、相手目線に立って、表情といった細かいところまで気を配ることが大事ってこと。
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名前は当人にとって、最も快い、大切な響きをもつ言葉であることを忘れない
- 名前を間違われて、ちょっと嫌な気分になった経験のある人いるよね?誰しも自分の名前は大事なもの。
- でも、他人の名前はどうでもいい、というのが一般的。ちょっと衝撃的かな?
- ま、失礼になっちゃいけないから(相手のためというより、自分が恥かいたり、怒られるのは嫌だから)間違えないようにしようという配慮はするけど、所詮それも自己保身。
- このギャップに気を配ることが大事だと僕は理解している。
- 田中角栄元総理大臣は、人の心を熟知していたと思われる。実際、彼は多くの職員の名前を記憶し、役職ではなく名前で呼ぶことで有名だった。あだ名はコンピュータ付きブルトーザ(元々土木会社を経営していたため。記憶力の良い土建屋さんという意味)
- ある日、議員会館を歩いていると、向こうから若手職員が歩いてくる。幹部職員や頻繁に会う職員の名前は記憶しているが、さすがの田中でも若手までは手が回っていないのが実際だった。
- 田中はすれ違いざまにこの若手職員に声をかけた。
- (田中)「君、名前はなんというんだ?」
- (職員)「はい、山田と言います」
- (田中)「違う!下の名前だ!」
- わかりますか?ズルなんです。だって、田中はこの職員の上の名前も下の名前も知らなかったんです。普通なら「山田くんね。よろしく」でしょ?
- しかし、若手職員は感激しました。なぜなら「一国の総理大臣が、僕の苗字を覚えてくれてる!しかも、下の名前まで覚えようとしてくれるなんて!」
- たかが名前。されど本人にとっては、この上なく大事なものなのです。
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よい聞き手になる。相手に自分のことを話させる
- しつこいけど、人は他人に興味ありません(自分にメリットやデメリットがない限り)。だけど、自分が話したいことは、聞いてほしいという欲求がある。
- これが顕著なのはフェイスブックのコメント。何かの投稿(基本的に自慢w)に対するコメントは、投稿者は承認を期待するよね。でもコメントを載せる人は共通点がある。それは自分の話に持っていくこと(かつて僕もそうだった)。
- 例えば「資格試験に合格しました!」という投稿に対するコメント。
- 「おめでとう!」「僕もその資格持っているけど、仕事をしながら5000時間の勉強はしんどかった!でも、その甲斐あって今では資格を活かすことができてるから、投資対効果はあったんじゃないかな。」
- 結局、自己主張(笑)でしょ?まあ、日常会話ならこれで良いのだけど、信頼関係を築こうと思う相手には、聴き手になろうということ。面白いのは、話を聴いてくれる人のことを僕らは好きになる(あるいは良い人と判断する)。
- 相手に自分のことを話させるもう一つのポイントは、人によって違う価値観を知ること。
- 良かれと思って言動したのに、予想に反してネガティブな反応が返ってきたことない?もし、相手の価値観を把握していればそれを避けることはできたはず。
- 誰しも、自分のことを深く理解してくれている人を信頼するものだよね。
-
相手の関心に合わせて話をする
- おい、何かしゃべれ!と言われてペラペラ話し出すことができる人は少ないよね(中には得意な人もいるけどw)。
- 僕らは基本的に他人に興味がない。つまり興味のベクトルは自分に向いている。
- 上司などに質問されて、ちょっと圧を感じたり喋りにくさを感じたことない?
- それは、相手が訊きたいこと(≠自分が喋りたいこと)を訊いてるから。つまり相手は自分にベクトルが向いたまま、質問してるわけ(そりゃ、仕事なら上司にとって必要な情報を話すことだって必要)。
- 反面、僕らは自分が喋りたいことや自分が関心があることであれば、とても喋りやすい。
- 人は、喋りやすいことを真摯に聴いてくれる人を良い人と思う傾向があるんだね。
- もちろん、仕事中にそんな悠長なことしてられない!って時もあるでしょう。その時は必要な情報についてズバッと質問すればいい。ただ、信頼関係を築きたいと思う相手とのコミュニケーションにおいては、相手の関心に合わせて会話することも忘れないってことだね。
-
重要感を与える ー 誠意をこめて
- これも質問と誤解が多いので、注意して。
- 「ちゃんと仕事の重要さを理解させた上で着手させる」というのも決して間違いではない。ただ、この原則におけるデール・カーネギーの意図は以下のような感じと僕は解釈している。
- 相手(部下や後輩など)は、自分やチームにとってとても重要なのだ、ということを理解してもらう。
- 例えば、「この仕事は、会社にとってとても重要だ。その重要な仕事を君にやってほしい」あるいは、
- 「君は、うちのチームにとってとても重要だ」
- どうだろう?もし、上記いずれかをリーダーに言われたら、あなたは自分に対する重要感を感じないだろうか?同時に、モチベーションが上がるんじゃない?
- 僕らは、リーダーからそんな扱いを受けているだろうか?「いてもいなくてもどうでもいい」とまではいかなくても、明示的に自分の重要さを感じられたら、しんどい仕事をしていても、充実して幸せな気持ちにならないだろうか?
いかがですか?
信頼関係を築くための基盤となる9個の原則。
散々書いておきながらこう言うのも何だけど、
原則を理解することに、僕はあまり意味がないと思ってる。
そうじゃなく、色々試して感じることにこそ、意味があると。
その際には、まずは
自分にとって馴染みの薄い原則
を選んで使ってみることをおススメします。新たな発見がありそうでしょ?
そして次に、
「この原則は、無意識に使ってたな」
というものも使ってね。
今度は意識して使うわけ。
意識的に使うと再現性があります。
無意識では再現性はありません。
これらの原則は1回使ったらすぐに効果が出るというものではない。
いくつもの原則を何度も使ってみよう。
ただ、このときに残念なことが間々起きる。
それは「急にどうしたんですか?」とか「気持ち悪いです」と言った周囲の反応。
せっかく頑張って原則使ってんのに!とそのうち使わなくなってしまうことがめちゃくちゃ多い。
みなさんは、いままでの人生で、
楽器の演奏
車の運転
スポーツ
をした経験はある?
始めた頃のことを思い出して。最初からチョー上手かった人はいないよね?最初は、誰しもヘボ。野球やテニスなら空振りもするし、自動車教習所で脱輪、金管楽器なら音が出ないなんてことは普通に起きる。
そんな時、学校の先生や教官やコーチなどがアドバイスをしてくれる。人によっては、本を読んだり動画を観たりして知識を学ぶ。
つまり、耳や目から情報を入れるわけ。
でも、
それだけじゃ、楽器の演奏も車の運転もスポーツも上手くならないでしょ?
何が必要ですか?
そう、練習や実践だよね?当たり前のことでしょ?
ところが、
ビジネス領域のこと…例えば、プレゼンテーション、ロジカルシンキング、リーダーシップ、コミュニケーション、セールススキル、プロジェクトマネジメントなどなど…になると、
このことをすっかり忘れちゃう人がほとんど。
原則を使っても、おそらく最初にうちはうまくいかないでしょう。これは楽器やスポーツや車の運転と全く同じ。
でも、何度も何度も実践するうちに、自分のものになって自然に使えるように必ずなります。
このことはしっかり覚えておいてくださいね。
誰に原則を使うか?を決める
まずはビジョン(目標)を決めよう。
普通に頑張れば達成できそうなものではなく、誰かの協力なしには達成は不可能なレベルがいい。
例えば、あなたの月間売上が仮に1000万円だとする。
それを、1億にするのはどんなに頑張っても難しいでしょ?では、5000万円はどう?それもちょっと厳しい。じゃ3000万円は?
こんな感じで設定する。
次に、
そのビジョンを達成する上でキーとなる人は誰か?を明示する。
キーパーソン図
あなたのビジョン達成上のキーパーソンを2名(もし3名いるのならそれでオッケー)決めて、早速原則を試してみよう。
-
まずは自分にとって馴染みの薄いものから
-
何度も何度も
-
意識して使う
-
相手に興味のベクトルを向けて
くどいけど、最初はうまくいかないこともあるよ。
「わ、キモっ」とか「急になになに?こわっ」なんて反応もあるかもしれない。ほとんど人は、この反応で諦めちゃう。
僕らは、右か左の肩にリトル自分を飼っていて、そいつが囁くわけ。
「止めとけやめとけ」
「お前には似合わないぞ」
「自分らしくしてれば良いんだ」
なんて声が聞こえる。
僕らは、「自分が変化するのが怖い」生き物なんだ。その癖、誰かを変えたいと思う。
でも残念ながら、自分が変わらず安全地帯にいるままで、他人を変えることはできないみたい。
それは、多くの偉人たちが言ってる。
挫けそうになったら、さっきの話、スポーツや楽器や運転のことを思い出して。
最後に、とても大事な注意点を言いますね。
間違った練習は、逆にとても危険だ
ということなんです。
僕は、ゴルフを40年ほどやってて、最初の10年ほどは毎月1000球以上打った。コースでのラウンドは年間60回を越えてた。スコアは70台を出したこともある。
でも、あるところから頭打ちになって、プレーが安定しなくなっていった。っていうか、最近ではボロボロw
一度もレッスンプロに教わったことがなく、自己流でやってきたため、変な癖がたくさんこびりついて、練習をしっかりしてきたことが仇となって、今となっては修正が難しい。
つまりここから言えるのは、
正しい練習を重ねることが、急がば回れどころじゃなく、後々の成長曲線を大きく上方に伸ばすCSF(重要な成功要因)だということなんだよね。
いかがでしたか?
もしよければ、
人間関係の原則(1〜9)の箇所だけ印刷して、毎日目につくところに貼っておくことをオススメするよ。
そうすると、僕らの潜在意識に入り込みやすくなるからね。
ぜひ試してみて。
まとめ
-
良好な人間関係を築ければ、「ムリー!」と思えるようなビジョン達成や困難を乗り越えられる
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人間関係の原則(1-9)を使ってみよう
-
原則をキーパーソンに使ってみる
-
最初はうまくいかなくても気にしない。練習、実践が重要!
今日もハッピーホルモン大放出!